こんにちは、CB部アートディレクターのたけいちです。
ここ2年ほどで、オルトプラスはCIを一新し、ブランディングに力を入れてきました。
その筆頭となるのがロゴのリニューアル

実はオルトプラスはこういったコーポレート周りのデザインを外注せず、すべてインハウスで作っています。

今回はリニューアル後のロゴがどうやってこの形になったか、どんなメッセージが込められているかをお話します。

リニューアル前のオルトプラスのCI

2016年までのオルトプラスのロゴはこちら。

これまでの課題は・・・

・コーポレートアイデンティティがほぼ無く、トンマナが揃っていない
・会社のビジョンマインドとロゴとの関連性が薄い。
・ロゴの形が汎用性が低く、いろんな場面で使いにくい。
・創立から6年程経ったこともあり、直近のオルトプラスの社風とは違うテイストになっている。

詳しく聞くと、オルトプラス立ち上げ当初に慌てて作られたロゴのため、ここ数年ではっきりとしてきた“オルトプラスらしさ”との関連性が薄いものとなってしまったようです。

これらを解決するため、ロゴの一新をはじめとしたCIのリニューアルを行います。

オルトプラスとは何かを確認

まず、ロゴの基盤となる“どんな会社なのか”をヒアリングします。

オルトプラスという社名はキーボードでのaltキーと、何かのキーを組み合わせることで別の機能が働くということに例えて、別のコンテンツや技術、会社や人とオルトプラスが組み合わさったら新しい価値を生み出す、という意味があります。

そしてスローガンは、「あなたにプラス、オルトプラス」
様々な別のコンテンツとコラボレーションした結果、何かにプラスになることがオルトプラスの役割です。

この「あなたにプラス、オルトプラス」という状態をロゴで表現すると、どんなものになるかを考えます。

さらに、こちらはインナーブランディングになりますが、ミッションは「遊んで暮らせるセカイをつくる」
社員それぞれが好きなことを仕事にすることで、自分の、又はそれに共感する人のタイクツを取り除くという意味です。
これらを踏まえると多様性遊び心の要素も欠かせません。

“○○にプラス”されているビジュアル


オルトプラスのやっていることをロゴに落とし込んだ形がどんなものであることが望ましいかを、調査、ディスカッション、スケッチを重ねて答えを出しました。
それは・・・
ロゴの中にいろんなものが入っても成立するロゴ。

常に変容し、無限のバリエーションのあるロゴとも言えます。
オルトプラスに関わる、タイトル・サービス・拠点・会社・技術・人などなど・・・
ロゴの中にあらゆる画像が入っても、成立する形をめざします。

その上で上げられる条件はこんな感じ。

・極太フォント
中に入る画像のある程度の可視性を担保するため。極太の文字

・サンセリフ体
オルトプラスの挑戦的な風土をどっしりとして、且つ無駄のない形で表現

・オルトプラスレッド
コーポレートカラーは変わらず、ロックで燃えるような赤。

他にも細かなこだわりはありますが、これらをキーワードに案を出していきます。

まずは手書きのラフでアイデア出しから


デザインする際は、まずはなんでも手書きのラフから始めることをおすすめします。

PC上には便利なツールがたくさんありますし、最終的にはイラストレーターのデータにすることになるのですが、あくまでそれは形にするためのツールにすぎません。
アイデアを出すことを目的とするなら、まずはとにかく頭の中にあるものを写し取りましょう。

ラフの段階では、線の美しさや正確さは必要ないので、荒いアウトプットで十分です。
※当時のラフが残っていなかったのでイメージ画像※

既存フォントで文字を組んでみる


ラフアイデアを書き出したら、並行していろいろな可能性を試すため、条件に近いフォントで文字を組んでみます
実際に組んでみると、思わぬ文字の相性や、大文字の方がいいのか、小文字の方がいいのか等の判断基準が見えてきます。

これらを見て、飾り気のある字や現代的な字よりも、シンプルなゴシック体で、且つどっしりとした文字が良いという方向性でいくことにしました。

アレンジを加えて絞り込み

“伝統的だけど洗練された文字”にしたいので、モデルとなる書体として「Futura(フーツラ)」を選びました。
Futuraは1923年のバウハウス全盛期に作られたジオメトリック・サンセリフの書体です。
googleなど、今でもこの書体を元にしたロゴは多く存在しますが、今回はこのフォントを太くアレンジして、バランスの良いところを見つけます。


太さのバリエーション、斜めのカットの有無、Sの形など・・・様々な可能性をためして絞り込んでいきます。

ディテールに込められたメッセージ


最終的にはこんな形になりました。
モデルとなるfuturaの書体からはかなり太めにアレンジし、あえてitalicを使わず、7°の斜体をかけました。
まっすぐ立っている文字よりも、走っているような勢いをつけたかったためです。

さらに「l」や「p」の長いところは程よく短くし、上部の端は斜めにカットしました。

これには“常に上向きに挑戦する”姿勢が現れています。
「p」の下の部分が同じく斜めにカットしているのも、“安定を求めない”オルトプラスらしさの象徴です。

「s」の文字のみ、太くすると潰れて読めなくなってしまったので、オリジナルで文字を作っています。

表現したかった効果が出ているかテストしてみる


今回の肝は、“ロゴの中に別のものが入ってコラボレーションしているようなビジュアルを作り出すこと”だったので、仮で画像をあててみて、問題ないか何度も何度も試しました。


こちらは最終的に残った数案を比べてどれが適切か、貼り出して主要メンバーで検討しているところ。


実は最後の方に、「枠からはみ出てる感じにしたらうちっぽくない?」という思いつきで新たなバージョンが増え、最後までどちらにするか悩んだりもしました。

できたロゴはこうして使われる


こちらは2018年のメール年賀状
富嶽三十六景の赤富士が印象的な「凱風快晴」(パブリックドメイン)。
1年の初めに相応しいめでたいモチーフであることと、オルトプラスの「赤」が連想出来るチョイスです。


こちらは採用サイトのトップ
オルトプラスの中に社員がいる、というある意味そのまんまな表現ではありますが、ロゴにカーソルを乗せると、ロゴの中の画像がぱらぱら変わって、いろんな社員やオフィスの写真が表示されます。

まとめ

いかがでしょうか?

企業のロゴは見た目の美しさだけでなく、いかにメッセージが込められているか、納得させられるストーリーが見えるかが重要です。
そのため、それを形に落とすまでにひたすらヒアリングをして、十分な情報を集めるのが実は一番大事なことです。

また、会社の文化を深く理解して制作する必要があるため、インハウスのデザイナーが作ることには大きなメリットがあります。
ぜひ参考にされてみてくださいね。

また別の機会に、今度は”ロゴのレギュレーションについて”お話します!

WRITER
竹市 綾香
竹市綾香
オルトプラスのインハウスデザイナー/クリエイティブディレクターです。 デザインの力で企業文化を明確化していくことをミッションとしています。 好きなものは映画とアメコミと横丁。