オルトプラスのCOOで、コーポレートブランディング部(CB部)部長の鵜川です。
CB部が発足して約1年が経ち、メンバーも揃ってきて、いろいろな効果を感じられるようになりました。
ということで、ここらでCB部立ち上げの背景や目指すところなどを言語化しておこうかなと思い、記事を書くことにしました。
なぜやるのか、なにがしたいのか、ここまでどんな結果がでたのか、を連載形式で書いていきます。
今回は第1回として、なぜコーポレートブランディングをやるのか、CB部という組織が必要なのかをお話しします。
コーポレートブランディングができていない企業の末路
コーポレートブランディングを「なぜやるのか」を考える前に、「やらないとどうなるのか?」を考えてみるといいかもしれません。
一言で言うと、コーポレートブランディングができていない企業は採用ができなくなります。
国内においては人口が減っていくので、必然的に採用の難易度は高まります。また、人材の流動性が高まっていて副業なども当たり前になっていくなかで、「会社が人を選ぶ」から「人が会社を選ぶ」という傾向が強まっていきます。
何かを選ぶときって、まずそれを認知しなきゃいけないし、それが自分に合うか、好きになれるかを判断する情報が必要ですよね。
つまり、「うちの会社はこんな考え方で、こんなことができる」「こういう文化を持った組織です」というのが発信されていないと、土俵にすら上がれなくなるわけです。
これは社内的にもそうで、自社の価値観や文化を浸透させることが「この会社にいよう」と思う動機につながります。
コーポレートブランディングができていないと、人が採れないだけでなく、人材が流出しやすい企業になってしまうということです。
コーポレートブランディングが「会社に所属する理由」をつくる
企業を簡単に移動できる&人が企業を選ぶようになると、今よりももっと「所属が意志に紐付く」ようになるはずです。
転職も簡単、フリーランスという働き方も当たり前になっていくと、会社に所属する意味は限りなく薄れます。個人でも面白いプロジェクトに参加できるなら、わざわざ会社に入らなくてもいいと考える人が増えるのは当然でしょう。
そんな中で「あえてこの会社を選んで所属する」には理由が必要であって、その理由を見つけられるようにするのがコーポレートブランディングなのです。
会社として
「こんな考え方好きな人いませんか?」
「この事業を通してこんな世界を実現したいんだけど、手伝ってくれる人いませんか?」
というのを発信する。
そうすることで
「その考え方が好きだからここで働きたい」
「そのビジョンに共感したので協力します」
という人が集まってきてくれる。
こういった意志に紐付いた所属って、会社も個人も幸せになれる形だと思います。
業務で分けると本質が見えなくなる。だからCB部という組織が必要
ここまでの話だと「ああ、人材確保と流出防止のためにやっているのね」と感じられる方も多いかと思うのですが、それだけではありません。
CB部は、人事や広報、総務など、一般的には個別の部署として存在するバックオフィス機能が包括された組織です。なぜこのような組織にしているかというと、「会社をより良くするためのすべてを担う」ため。
人材確保や流出防止だと人事/労務の領域ですが、会社の魅力を発信するとなれば広報の領域になります。でも、魅力の発信は採用にもつながりますから、人事だって広報的な動きをする必要があるときもあります。このように、職種や役割で組織を区切ると全体が見えにくくなり、「自分の領域だけやっておけばOK」という思考に陥ってしまう可能性があります。
しかし、人事も広報も総務も、俯瞰してみれば「会社を良くするための仕事」。
「人事をやる」のではなく、「コーポレートブランディングという広い視点で会社の役に立つことをやる」という思考が必要なのです。
これはちょっと一般的なコーポレートブランディングの定義とは違うかもしれませんが、オルトプラスはこう考えています。
だから、会社の魅力をつくるのも、外部に発信するのも、人を採用する&辞めさせないため、というのではなく「それがオルトプラスにとって良い効果があるから」です。職種や領域に縛られることがないので、「え、こんなことも総務がやるの?」というような業務もあります。
コーポレートブランディングができていない企業は採用ができなくなるのは間違いないのですが、それよりもさらにもう一歩高い視点を持って、コーポレートブランディングに向き合っていきたいと思っています。
次回は、オルトプラスとしてどのような文化をつくり、発信していきたいか、なぜそのような文化なのか、というところをお話しします。