「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が成立してから、間もなく1年が経ちます。

成立時には働き方改革に関する話題がニュース等で散見されたことは、皆さんも記憶に新しいのではないでしょうか。

最近では話題に出る回数が少なくなってきたものの、働き方改革に対応するための施策や改善はまだまだこれからの企業が多いと思います。

特にキーワードとして挙げられている「労働生産性の向上」は、大きな課題の一つになっているはずです。

ここでは、なぜ労働生産性の向上が必要なのか、その背景と実践的な生産性の向上方法をいくつかご紹介していきます。

なぜ労働生産性の向上が必要なのか

生産性の意味

「生産性」の意味は以下の通りです。

生産性(せいさんせい、Productivity)とは、経済学で生産活動に対する生産要素(労働・資本など)の寄与度、あるいは、資源から付加価値を産み出す際の効率の程度のことを指す。

一定の資源からどれだけ多くの付加価値を産み出せるかという測定法と、一定の付加価値をどれだけ少ない資源で産み出せるかという測定法がある。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

簡単な例えに置き換えると、営業マン1人でどれだけ多くの売り上げを立てるか、もしくは1000万円の売り上げを何人の営業マンで達成するか、と測り方が2つあるということです。

これらを測定したとき、より少ない労働力で高い効果を出した方が、生産性が高まっていると言えます。

労働生産性と日本の人口

生産性の向上が重要視されている背景はさまざまですが、大きな要因の一つに人口の減少があります。

下の図は日本の総人口および人口構造の推移と見通しです。

参考:内閣府ホームページhttps://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2018/30webgaiyoh/html/gb1_s1-1.html

推計値を見ていくと、人口の減少とともに労働の中心となる20代~60代前半までの世代がぐっと減り、65歳以上の層が増加していくことが分かります。

単に日本全体の人口が減るだけでなく、一番働き盛りの世代が約50年後には現在の6割程度になってしまうことが想定されています。

人口が減少した状態で、残りの労働力で現在と同等もしくはそれ以上の生産性を担保するのは、現在と同じやり方では難しいことが考えられますよね。

そこで、一人ひとりの生産性を上げて、人口減少に備えようということです。

長時間労働の是正

長時間労働の改善も、生産性を向上させる理由の一つです。

以下のグラフはOECDが発表している、世界主要国の国別労働時間です。

参考:OECD DATA https://data.oecd.org/emp/hours-worked.htm

グラフからも分かるように、世界から見ると日本は平均よりも労働時間が少ないことが分かります。では、なぜこれほどまでに長時間労働が深刻化しているのでしょう。

政府は長時間労働の課題を以下のように表記しています。

 

これらの課題は、以下のグラフと一緒に見てみましょう。

これは男女の年間総実労働時間の推移を現したものです。

男性と女性で大きく差が開いていることが分かります。

女性の社会進出は増えているものの、その差はまだまだ縮まらないままです。

長い時間働くことが正しいわけではなく、生産性を高めて短い時間でもしっかりと成果を出すことが、男性の家庭参加や女性の社会進出につながります。

生産性を向上に役立つ3つの例

 

生産性向上の重要性をいくつか挙げてきましたが、具体的にどうすればよいのかと悩んでしまう方もいるでしょう。

「ダラダラ働いているわけではないし、改善しようがない!」

そんな方もいるかと思います。

私自身も怠けて長時間労働になっているとは思っていませんでしたし、定時内に仕事が終わらずに家庭に持ち帰ることも正直ありました。

ただ、発想の転換で変えることのできるものもたくさんあることにも気づきました。

その例を、3つにまとめてご紹介します。

「目的」から物事を考える

「前任の人がこうしてたから」

「いつもうちの部はこうしてる」

このような仕事はありませんか?

書類の作り方、ファイリングの仕方、定例会議など、なんとなく流れでやっていて、目的を意識することも少ないかもしれません。

しかし、今までやってきたことが必ずしも現在の目的と合っているとは限りません。

紙を大量印刷して配らなくても、データをメール送信するだけで終わるかもしれませんし、定例で集まらなくても重要な共有事項があるときのみ会議を開催することで間に合うこともあるでしょう。

まずは目的から考えてみてください。

何の目的で、今の手段を選択しているのか、という手順で考えることで、やらなくてよいことや別の手段が意外と出てくるものです。

時間を管理する

アメリカの作家で経営コンサルタントのスティーブン・R・コヴィーという人が提唱した「時間管理のマトリックス」をご存知でしょうか?

参考:http://www.franklinplanner.co.jp/system/important.html

行動やタスクを緊急度と重要度から4つに分類することで、本当にやるべきことに目を向けることができます。

今回一つ一つの細かい説明については割愛させていただきますが、本当に必要なのはⅡの活動量を増やすことです。

しかし日々の業務に謀殺されていると、「緊急度」の高いⅠやⅢの領域に目を向けがちです。

前項でお話しした「目的」を明確にすれば、おのずとその業務がどの領域に当てはまるかが分かるかと思います。

Ⅱの活動に時間を費やし、そうではないものに時間を割かないように意識するのも、生産性の向上につながります。

この図にご自身のタスクを分類して、重要度の高いものから業務を進める1日の時間割のようなものを作ってみてもいいですね。

ROI(費用対効果)を意識する

それぞれの業務が本当に重要かどうか判断が難しいときは、ROIを意識することも大切です。

社内で採用システム導入について検討した際の例をお話しします。

システムを利用することによって、1名の候補者を書類選考~面接調整するのに平均10分短縮できると想定します。

月に50名同じことを繰り返すと500分(8時間20分)労働時間を短縮することができます。

その他にも、人為的なミスや付随する業務の工数(例えば採用に関する資料作成やデータまとめ)が削減されれば、さらに業務が効率化されます。

システムの費用に対して、どのような効果が生まれるのかを数値で出すことで、判断が明確化されます。

採用に対する行動の本来の目的は、欲しい人材を採用することです。

採用担当が日程調整を1日にたくさんできることが、欲しい人材の確保につながるわけではありません。

システムによって作業が短縮した分、人材確保のための戦略や手段を検討した方が、生産性は高まるでしょう。

小さなことからでも生産性は上げられる

 

 

生産性は意識するだけでも向上させることはできます。

また、一人ひとりの生産性向上により、時間や場所に捕らわれず働くことができれば、もっと多くの人々の生活が豊かになると思います。

この中から少しでもヒントになることがありましたら、ぜひ取り入れてみてください。

WRITER
きくちあさみ
kikuchi
コーポレートブランディング部で主に採用まわりを担当しています。 プライベートでは3人の子供を育てるワーキングマザーです!