5月21日バックオフィス向けセミナー「サイボウズ・サイバーエージェント・LIFULL・オルトプラス 企業価値を高めるインナーブランディング×社内広報 by CBsync」を開催し、約100名のご来場者にお越しいただきました。

今回は、サイボウズ株式会社大槻幸夫氏による「成長の踊り場にあったサイボウズを一変させたコーポレートブランディング〜マーケティング改革10年間の裏側」のレポートを公開させていただきます。

第一回:LIFULL全員で作る日本一働きたい会社~企業価値を高めるインナーブランディング×社内広報セミナーレポート~

第二回:サイバーエージェント デザインが担う企業文化~企業価値を高めるインナーブランディング×社内広報セミナーレポート~

切り分けて考えがちの外向けのPRとインナーブランディング。

表裏一体でどちらの側面にもメリットが有ることを改めて学ぶことが出来ました。

サイボウズが抱えていた課題

サイボウズでは、外向けのマーケティングに変革があり、それがインナーブランディングにも効果をもたらしましたが、もちろん、はじめからそう上手く言っていたわけではありません。

まず、当時私達が抱えていたプロモーションの課題をご紹介すると「今までのプロモーションが通用しない」ということと「大企業からの認知度が低い」ということでした。

ご存知のかたもいらっしゃると思いますが、昔ボウズマンというキャラクターが流行。

ベンチャー企業として目立って行きたかった我々は、こちらのキャラクターを使って広告を売っておりました。

インパクトのある広告からホームページに誘導し、サービスの体験版を使って頂き、本契約をして頂くというのが定番のパターンだったんですが、これだけではなかなか新規開拓に行き詰まってしまう。

また、大企業にサイボウズの提案をした際、担当者の方にメリットに感じていただいても、決裁者層の認知度が低く、導入に至らないなど様々な課題がありました。

そして、このままではいけないと感じ新しい訴求にチャレンジすることに決めました。

対象によって伝え方180度変える

その時、我々が参考にしたのは「イノベーター理論」というものです。

どういうものかと言うと5つのフェースに分かれいて、新しいものを展開した時にまずは先端層のお客様方にご導入頂けて、その後に市場ボリュームの大きい一般層にたどり着くという理論です。

もちろん、先端層と一般層では求めている情報が異なりますので、伝え方を180度変えていかなくてはいけない。

中でも、キャズムの前後で大きく変化が求められるのですが、特に、一般層に必要とされているのはスペックや高度な機能よりも「信頼度」ということが分かりました。

足りなかったのはストーリー

信用度に繋がる「なぜサイボウズはグループウェアを提供しているのか」というお客様の疑問に対し、当時は答えきれていませんでした。

サイボウズは、育休制度やイクメン社員リモートワーク等10年間かけて様々な働き方改革に取り組んできた会社です。

そのため、「なぜサイボウズはグループウェアを提供しているのか」という疑問に対しての答え(ストーリー)はありました。

チームワーク向上を通じて、よりよい社会を実現するために、組織のワークスタイル革変をサポートしたい。

だから、グループウェアを提供しているんですね。

ですが、お客様ははじめからそこに興味があるわけではありません。

そのまま伝えても伝わらないんですね。

例えば、サイボウズの人事制度を公開しても、あまり関心は得られない。

では、どうしたら良いか。

自分たちのストーリーに見ている人にとっての価値を載せて伝える「編集力」が必要だと感じました。

そこで、「社会的課題に取り組む企業」というストーリーを知ってもらうために、サイボウズ編集部が発足されオウンドメディアサイボウズ式が誕生したのです。

最初は予算も大きくかけられなかったので、小さく始めました。

ライティングと写真撮影は、社内で持ち回りをしていたら続かなくなってしまうためプロの方にお願いしていたのですが、編集部員は私を含めた3名で、全員が別の仕事と兼務をしている状態のスタートでした。

 

編集という概念をオウンドメディアを超えて

「サイボウズ式」を運営する中で良い成長を見せたので、次のステップとして「編集」をオウンドメディア以外にも拡大していきました。

そこで取り組んだのは「働くママを応援するムービー」。

https://www.youtube.com/watch?v=0iru7nKQbcw&t=11s

サイボウズ公式YouTube

https://www.youtube.com/user/cybozubrandmovie

全く製品の話は入っていません。

サイボウズの企業ミッション、どういった社会を作りたくて活動しているかを伝えるためのムービーだったのですが、YouTubeでは広告なしに162万回突破の再生回数がありまして、テレビのニュースにもなり、様々な賞の受賞にも繋がりました。

一昨年では、プロのアニメーターとコラボをして働き方改革をテーマにムービーをつくってみたり、サイボウズは「編集」の力で様々なプロモーションに取り組んできました。

サイボウズ ワークスタイルアニメ『アリキリ』 第1話:残業編

https://www.youtube.com/watch?v=xlHiV05IzEU

社内にはどのような効果があったのか

私の考えでは、トップが「これからはチームワークだ!」と言ってもあまり浸透は期待できません。

 

しかし、サイボウズ式でトップが登壇している様子などが公開され、外部からのイイネがたくさんついて、何万PVなど定量的な結果が出てくることで、「うちっていい会社なんだ。」と、客観性がつくことでビジョンがより浸透するんですね。

最近は、社員の中でもサイボウズ式に出たいと言ってくれる方が増えてきました。

サイボウズの社員を取り上げることによって社外の方々にも、サイボウズの社風を素直に伝えられるメディアとしての側面も持っています。

こういった活動が採用にも貢献していて、サイボウズのPRをきっかけに応募して頂ける方も非常に増えていて、その他にも様々な効果を発揮することが出来ました。

 

ブランドとは「意味のある差別化」であり「一貫性のある体験」

「ブランディング」と聞くと、広告で形成するイメージや、ブランド=高級品、ロゴやネーミングであると誤解されがちなのですが、私はこの活動を続けていて、ブランドとは「意味のある差別化」であり「一貫性のある体験」であると考えています。

また、コンテンツを作る際は「ブランドジャーナリズム」という言葉で考えています。

社会の関心と私達の取り組みを客観性の架け橋で繋いでいくことが大切なのです。

「何をいっているのか」ではなく「誰が言っているのか」。

「やり方(Doing)」の問題ではなく「あり方(Being)」の問題。

私達、コーポレートブランディング部がキレイなクリエイティブを作って伝えるのではありません。

社員が理念への共感を持って業務改善を図っていき、それを発信することで、それ自体がブランドになっていきます。

 

外向けのコーポレートブランディングこそ、最良のインターナルブランディング(インナーブランディング)です。

効果の面でも、外に響くということが非常によかったなと思っています。

 

WRITER
うちだまみ
うちだ まみ
広報のうちだです。 趣味はサッカー観戦とお酒とゴルフ。