DeNA Games Tokyoの行動指針「REBUILD(リビルド)」から学ぶコーポレートブランディングとその浸透施策事例

/ 2月 12, 2020/ 人材採用, 企業文化

 昨今、企業文化醸成やコーポレートブランディングが注目され、ビジョン・ミッションや行動指針の浸透に取り組む企業が増えています。

 そんな中、モバイルゲームの運営事業を手掛けるDeNA Games Tokyoでも、組織ビジョン・行動指針の策定から浸透まで、積極的に取り組まれているようです。

 今回は、行動指針策定の背景や浸透のプロセスを代表の川口さんとコーポレート部 部長の徳田さんに伺ってきました。

川口 俊(カワグチ シュン)

大学卒業後、2009年に輸送用機器メーカーに新卒入社。事業企画に従事し、2013年、DeNAに中途入社。ブラウザゲームの運営プランナーやディレクターなどを経験した後、2016年よりDeNA Games Tokyoに出向。DeNA Games Tokyoでは、プランナーマネージャー、企画部 部長を経て、2018年8月より代表取締役社長を務める。

徳田 悠輔(トクダ ユウスケ)

大学卒業後、2014年にDeNAに新卒入社。営業等の経験後、2016年より新卒育成・新卒採用・中途採用等を担当。2018年にDeNA Games Tokyo 採用・広報マネージャーに就任。2019年1月よりコーポレート部 部長を務める。

行動指針を一新!新たに掲げた「REBUILD(リビルド)」とは?

ー川口さん、徳田さん、本日はよろしくお願いします!

 早速ですが、DeNA Games Tokyoでは2018年の11月頃、新たに行動指針の「REBUILD」を掲げ、企業文化の醸成や、コーポレートブランディングに積極的な取り組みをされていると伺いました。

 なぜ、そういった取り組みに至ったのですか?

徳田:もともと、創業初期に掲げていた行動指針はあったものの、なかなかメンバーに対しての浸透や、行動に反映されている実感が持てなかったので、一新するに至りました。

川口:具体的には、以前の行動指針は全部で9項目あったのですが、今回は一言にまとめました。

 もともとの9項目も、会議室に貼るなど、目に見える場所に掲示していたのですが、会議や日常会話の中で利用されるシーンがほどんどなく、社員に9項目を覚えているか聞いたところ、ほとんどの社員が覚えていませんでした。

 また、元々の9項目も、とても良い事を言っている行動指針だったのですが、綺麗な表現が多い印象で、例えば「真摯であろう」とか、どの会社が掲げていても違和感がない言葉でした。

 やはり、DeNA Games Tokyoという色を出していきたい。僕らだからこそ、大切にしたい言葉や想いを行動指針にしたいというのも、今回のリニューアルの理由です。

ーそうだったんですね。行動指針をリニューアルしよう決めたとき、まず何から取り組まれたのですか?

川口:まず、骨子のところは自分ある程度考えて、次に部長陣を集めて所感を聞き、形作り、最終的にはマネージャー陣を巻き込んで、話し合いを重ねていきました。

ーどのくらいの期間をかけて「REBUILD」を作り上げましたか?

川口:かかった期間は1~2ヶ月くらいです。

ーかなりの短期間ですね!

 行動指針のリニューアルとなると、時間が掛かるのはもちろん、話をまとめるのも難しい印象なのですが、どのように会議を重ねてこられたのですか?

川口:どのようにか…

 最終的に着地した「REBUILD」という言葉のワーディングには、ある程度時間がかかりました。

 しかし、それに至るまでのエッセンスや、意志は、もともと僕らの中にあったのでそれを土台に作り上げたイメージです。

 また、会議の回数は、毎週1-2時間くらいを、朝の定時前にとって議論をしていました。

 工夫としては、ある程度固めた段階で、部長陣だけでなく、マネージャー全員を巻き込んだことです。

 やはり、浸透を考えたとき、僕らだけで作っても、勝手に出来上がったものというイメージが強く浸透していきませんし、僕らだけではメンバーとのコミュニケーションの量がどうしても足りません。

 そこで、メンバーとコミュニケーション量が多く、距離も近いマネージャーを巻き込むことで、メンバーへの浸透を見越した議論が出来たと感じています。

▼完成した行動指針「REBUILD」

川口:僕らがやっているゲーム運営事業は、常にPDCAを回し続ける事業ではありますが、意識しないと前例踏襲に陥りがちでもあります。

 なので、意図的に新しいことに取り組んでいかないと、慣れる、飽きる、につながってしまいます。

 そこを、あえて壊して、変えて、前提さえも見直して新たな価値をプレイヤー に届ける意識を全社に浸透させるために、新たな価値を作り出すという思いを込めて「REBUILD」という言葉に至りました。

込めた想いをデザインに落とし込む

ー行動指針の「REBUILD」を社内浸透させるにあたり、取り組まれたことを教えて下さい。

川口:まずは、デザインです。

 ただの文字だけではなく、そこに想いを込めることが大切だと思い、デザインしました。

川口:例えば、カラーはDGTのミッションである「日常に彩りを添える」の彩りから七色を採用しています。

 この配列の順番にも意味があって、わざと配列の順番を変えているのですが、「今までにないものに変えていく」という意味が込められていたり。

 あとは、LとDの部分を少し欠けたデザインにしているのは、「いつまでも完成しない、ずっと作り変えていく」という意味があります。

 デザインの背景は、全社会で全社員にむけて、製作者から説明してもらい、行動指針で表現していることの理解を深めました。

 現在は、オフィスの壁だったり、会議室のペン立てに貼ったり、あとはポータルサイトなどにも掲載しています。

評価と目標設定に行動指針を組み込む

川口:あとは評価と目標設定に「REBUILD」を入れました。

 半期ごとに実施する、メンバー個人個人の目標設定に、自分が実現したい「REBUILD」を掲げてもらうことで評価に組み込んでいます。

 また、社内表彰の基準にも「REBUILD」を活用しています。

 「REBUILD」をもう少し噛み砕くと「事業・組織などあらゆるものの前提を根本から見直し、より高い価値を創造する」ということです。「何かを変えようとしている」ではなく、「何かを変えた」という人が、より「REBUILD」を体現している人として評価対象となります。

 こういった評価基準を明示し、会社にとって影響が大きく、周りから見ても「これはすごい」という共感が得られる「REBUILD」を実現した人を表彰しています。

有志で生まれる「REBUILD PROJECT」週イチ社長が動画配信!?

徳田:こういった取り組みを含め、ボトムアップで「REBUILD」を動かしていこうというのが「REBUILD PROJECT」です。

 プロジェクトのアイディアは誰でも提案することができます。また、採用されたプロジェクトに共感した有志メンバーはそのプロジェクトに加わることが出来ます。

 「REBUILD」感があれば、組織に対しての「REBUILD」でも事業に対しての「REBUILD」でもよく、公募を募った結果、アイディアが30件近く集まりました。

 その上で、実際に動かしている施策が10プロジェクトほどあります。

ー有志で30個もアイディア集まるなんて!すごいですね。どんなプロジェクトがあるんですか?

川口:特徴的なところでいうと、週に1回、社長とゲストで社内向け動画を配信するという企画があります。

 僕と、社内のメンバーと一緒に週1回15分〜30分くらい動画配信をするのですが、内容は様々で、今運営しているゲームタイトルの周年イベントの話をしたり、理念を語る回もありますし、年始は新年の挨拶を配信しました。

ーこちらは毎週おこなっているのですか?

徳田:そうですね、ルールが厳しくない運営が継続の秘訣かもしれません。

 視聴も強制していないので、リアルタイムで視聴してくれている人が40-50名程度いる上に、社内ポータルサイトにアップしているアーカイブ動画を視聴するという人も多いので、メンバー全体の3~4割くらいは毎回視聴してくれているのではないかと思います。

川口:以前は、僕が全体にメッセージを発信する機会が、四半期に1回開催される全社会しかなく、頻度が少ないと感じていました。

 尚且、DGTはオフィスフロアが4フロアに分かれているので、どこかに集まって顔を合わせるのも難しい。

 そこで、動画配信という手段を取りました。

ーでも、毎週内容を考えるのが難しそうですよね。

徳田:そうなのですが、実は企画書も特段作らず、結構カジュアルな運用をしています。

 運営担当者と川口とで話をして、今こういうメッセージを伝えたいよね、とか、こんなところにスポットライトを当てていきたいよね、といった打ち合わせから、該当する人に出演をお願いしています。

 この2.30分間の内容も、台本があるわけではなく、かなり自由に話してもらっています。

川口:もう一つ、デジタルサイネージを活用した取り組みも行っています。

メンバーが理念に触れる頻度を増やすことを狙いに、誰の目にも届き、かつビジュアルですぐ認識出来るデジタルサイネージを導入しました。

このデジタルサイネージ上では、メンバーの『REBUILD宣言』や行動指針の定義を常に表示しています。

導入して約1年が経ちましたが、メンバーの意識の高さや、REBUILDの熱量を実際に肌で感じることができたので、取り組んでよかった施策の一つです。

徳田:また、バックオフィス部門からの諸連絡など多岐に渡って情報を届けるためにも重要なチャネルとなっています。

例えばですが、新入社員紹介もデジタルサイネージを活用して、社内メンバーに向けて発信しています。

今後も、様々な発信ができるチャネルとしてうまく活用していきたいです。

行動指針を一新して1年。組織の変化は?

ー1年間運用して、組織の変化は感じますか?

 徳田:まず、社員全員が「REBUILD」を認知出来ていることが大きな変化だと思います。

 普段の業務においてもの「REBUILD」を意識した取り組みも増えてきていますし、「REBUILD PROJECT」が動いていること自体が社内活性だと感じています。

 また、採用面でも、選考プロセス内で候補者様に「REBUILD」の意味や策定背景を伝えることで共感を頂けている実感もあります。

 これからも、この取り組みを続け「REBUILD」感のある、強い組織を作っていきたいですね。